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タニヤンです。
上高地の特別ミッションは無事終了しました。
実は今回の仕事は砂防工事の一環です。
ブル(牛)メタルと呼ばれる砂防材『牛枠』を崩壊が激しい焼岳に設置してきました。
![03f890df41ac2fc0aa713d14dde80d0c[1]](http://blog-imgs-35.fc2.com/k/a/r/karasawagoya/200912221737032e8.jpg)
これが牛枠。
牛枠とは、昔、河川工事等で水の流れの強さや方向を調整するために作られたものだそうです。
なぜこんなものをヘリで設置するかというと・・・

もし山の中に土砂崩れが発生し、下の集落や、文化財を守らなければならないときに、
砂防堰堤や、このような牛枠を設置し土砂の流れを緩やかにするのが、砂防工事といわれるものです。
しかし北アルプスのような急峻な山域では、すぐに設置というわけに行かず
重機(ドーザーやショベルカー等)大きな機械で
樹を倒し、道を切り開き、山の形を変えてまで何とか崩れている現場まで行って
こういう工事が行われているのが現状です。
それをヘリコプターの力でやれば、重機を何ヶ月も使い、道を作る必要もなく
樹も倒されずにすむなら、それにこしたことはないわけです。
もっと自然にローインパクトに出来ないか?というコンセプトで
作られたのが、このブルメタル『鉄製牛枠』なのだそうですよ。
日本ではまだ実験段階で、今回実際の山岳地域ではじめてやってみようとなり、
そのモデルケースとして北アルプスが選ばれ、
小屋番オールスターズ(TEAMブル)が結成されたわけです。
なんせ、民間人であり、山が出来て、尚且つヘリコプターに何百、何千時間と関わっているのは
東邦航空松本営業所の営業マンか、小屋番しかいないですから!!
(ちなみに僕は、まだまだ未熟で、ヘリの誘導や山の技術も乏しいのが現状です・・・涙)

まずブルメタルにワイヤーを通していきます。めちゃ2重いんですよ!!

しっかりと段取り&打ち合わせをしました。

AS332Lスーパーピューマが崩落が激しい沢の現場に入ってきます。
後ろには六百山。
そしてすごい雪煙!!

段取りどおり設置していきます。
とにかく寒い!!そしてきわどい作業です。

吊った状態で、ボルトを締め上げて行きます。空中からミリ単位の仕事をしているわけです。
まさにパイロットの神業&ヘリを誘導するシグナルマンの信頼の絆がなせる離れ業!!
やっぱり東邦航空はすごいです。まさに小屋番の夢ですね・・・
仕事はバッチリ終わりましたよ。
究極は、崩れいく山は、そのままに崩れていくのが自然の摂理なのかも知れません。
何もしないのが一番!!まさにそのとおりなのです。
しかし皆さんが何気なく歩いている登山道、泊まっている山小屋、そこに息づく文化を
守るために、ローインパクトで登山道整備や治山作業を進めていけたらイイナと改めて感じたのでした。
そして小屋番ってホントにいろんな事やりますね。
まさに『山を翔る守人』です。
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- 2009/12/22(火) 18:20:01|
- 小屋番
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